【コラム】薪ストーブで注視すべき性能は「排気」か「給気」か

薪ストーブメーカーが自社製品の性能を標榜する際、その謳い文句には様々なものありますが、皆さんはどんな部分を参考にその薪ストーブを評価していますでしょうか?

今日はそんなところに注目してみたいと思います。


【1】薪ストーブの性能とは

 まずそもそもにして、薪ストーブにとっての性能とは何を指すのか。

 薪ストーブに求められる性能にはいくつか要素があると思いますが、一般的な評価軸として以下の4つを代表として挙げてみます。

  1.  燃焼効率(煙の少なさ)

  2.  薪の消費量(燃費)

  3.  温度の立ち上がり

  4.  温度の維持

※デザインや操作性といった部分は主観が入り込む要素なため今回は除外します


【2】設計要素

 これらの性能を上げるために薪ストーブにできることはなにか。

要は薪ストーブの設計を性能面から見た場合、どこに工夫の余地があるのかといえば、

1)給気経路

2)排気経路

3)本体形状

この辺りしかないわけです。


【3】薪ストーブメーカーの傾向

 ここで文頭に戻りますが、各メーカーが自社の薪ストーブの良さを謳う内容は何かというと、具体的には大体「クリーンバーン」と「触媒」の2つをよく目にするのではないでしょうか?

どちらも二次燃焼を目的とした設計工夫で、主に排気に対して採るアプローチといえます。

そしてこれは欧・米・日本、どのメーカーにも同じ傾向が見られます。

もちろん、クリーンバーンや触媒以外にその他の工夫も考えられていることを忘れてはなりませんが。


【4】こいつだけはやはり別格

 しかしながら一方で、「給気」という部分に比重をおいて謳っているメーカーは本当に少ないと感じます。

私がいつも挙げるネスターマーティンはその数少ないメーカーの一つです。


 ネスターの炉内には二次燃焼空気の吹き出し口はないため、クリーンバーンではないですが、燃焼効率の高さと燃費の良さは、使った人なら分かる驚くべき性能です。(なお、新しいモデルでは触媒まで搭載し始めました)

 その性能を支えているのがネスター独自のウッドボックス(R)で、これの目的は ●炉内の温度維持 と ●給気の予熱 に集約されます。

 給気が炉内へと運ばれるまでの間にウッドボックスを通って十分に予熱されるため、炉内温度が高く燃焼効率が良く、また長時間冷めにくい炉内環境を作り出します。


 この事から分かる通り、炉内温度の高温化は非常に大きなメリットをもたらします。

 もちろんネスターに限らず多くのメーカーも炉内を蓄熱素材で囲っていつまでも冷めにくい炉内環境を作ることを狙っているのですが、それでも給気の予熱まで徹底して考慮しているメーカーはそこまで多くないと感じています。←これは個人的な感覚ですが。


【5】給気予熱はすべてを叶える

 薪ストーブの自作や改造を考えたことがある(もしくは実践した事がある)人であれば、まず間違いなく『排気の流れ』をいじるはずです。

 実際私もそうでしたが、やってみると分かる通り、排気をいくら工夫しても効果が現れにくく、出たとしてもすぐに頭打ちしてしまいそれ以上の効果が得られなくなります。

しかもその効果自体も期待したほどでもないという。ここで一旦気持ちが萎えるのです。

 そしてもう一つが二次燃焼空気の吹き出し口。

空気穴を増やせばその分だけ二次燃焼が捗るはず!と勇んで色んな所に穴を空けるも、これまた期待したほどの結果は出ず…


( ゚д゚)m9彡 そう!


大事なのはそっちじゃなくて給気の方なのです!

給気を高温化させれば、最初に挙げた4つの性能評価すべてを向上させることが可能です。

 また、給気温度さえしっかりと高めれば、排気経路は多少雑であっても大した影響はなかったりします。なんなら逆にいじらないで排気抵抗をなくした方がむしろ良い結果が出たりするほどです。

※ちなみに触媒の場合は考え方が全く別。


【6】終わりに

 薪ストーブの性能を推し量る場合は、メーカーが謳うありきたりなアピールではなく、給気の予熱経路がしっかりと長くとられているかを図面等からよく読み取りましょう。

 そして欲を言えば、その給気予熱経路が「二次燃焼室など特に高温な場所を経由しているか」を確認すればなお良い薪ストーブに巡り合うことができるでしょう。



おしまい

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