ガラスがいつまでも曇らない薪ストーブの設計とは

薪ストーブの魅力の一つに、きれいに揺らめく炎を眺めるという楽しみがあります。

むしろ初めての人にとって薪ストーブを選ぶ大きな理由の一つと言えるかもしれません。


ということで今回は、

炎を楽しむために不可欠な、「ガラスがいつまでも曇らない薪ストーブの設計とは」

をテーマに見ていきましょう。


これは我が家で使用している、フランスメーカーのアンヴィクタのルナという鋳物ストーブです。


今回はガラスのお話なので、ガラスに注目してみてください。

下の角のほうが黒くなっていたり、全体的に下半分が白くくすんでいるのがわかります。


薪ストーブを使っている人なら大体経験していると思いますが、世の中の薪ストーブはほぼほぼこんな感じで、使っているうちにガラスが段々煤けてきます。

(本当に乾燥した薪だけを使って毎回温度管理をパーフェクトで運用できればこうならないかもしれませんが、まぁ大体の人はそんな完璧でもないのではないでしょうか?)



でも、お使いの薪ストーブのメーカーホームページにはこういうことが書いてありませんか?


『エアーウォッシュ機能でガラスをクリアに保ちます』

とか

『ガラスに空気を吹き付けることで曇りを防止します』

みたいな。


要は、汚れのもとである燃焼ガスがガラスに付かないよう、空気をガラス面に吹きつけて空気の壁を作るという仕組みです。


今ではよほど設計クォリティの低い薪ストーブでない限り、ほとんどの機種がこのエアーウォッシュ機能を搭載しています。

中には予熱された熱い空気をガラスに当てることで煤を焼き切るといったものもあります。



しかし現実にはそんなご立派な謳い文句も虚しく、いずれ曇るもんは曇ります。


ですが、私がこれまで見てきた中で別格に曇りにくい(曇らない)薪ストーブもあります。

その一つがネスターマーティン。


この写真は過去に当社で新築したお客さん家のS43。

やっぱりガラスがクリアですねー。

そしてこれが炉内の前方上部。


ネスターが他メーカーと違ってガラスがとても曇りづらい理由が、この炎返しのカール部分です。

バッフルプレートに沿って運ばれた燃焼ガスがガラス面へは行かないよう、炎返しによってしっかりとブロックしています。


他社の薪ストーブにはこれがありませんので、ご自宅の薪ストーブでもこの部分をよく見てみてください。


単に空気をガラス面に当てるだけでは、燃焼ガスが合流してしまってガラスへと付着してしまうのです。

その空気を予熱してあげれば大部分の煤は焼き切りますが、どうしても一番下の方の角などは黒い煤が残ってしまいがちです。



このネスターマーティンの設計を覚えていたわけではないのですが、私が開発したARC'RAYも、やはり炎返しを設けたことが功を奏してガラスが隅々までいつまでも曇りません。



今日たまたまお客さん家のネスターマーティンを見たら同じ設計意図だった事に気付いて、ちょっとうれしくなりました。


おわり

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