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  • 田山祐智

ヤマミチが語るウッドデッキのお話し(材料編)

先日ちょうどウッドデッキを施工する現場があったので、ヤマミチ的にこだわっていることを少々語りたい。

工事記録の方にも少し書きましたが、とりあえずはその材料。

ヤマミチではウッドデッキに使う材料にはべいひばを使用します。

その点、住宅メーカーの作るウッドデッキは見たところ大体はべいつがの防腐加工材を土台に使い、SPFの防腐加工材をデッキ板に使っているのがほとんどでしょう。

で、この『べいつが(ヘムファー)』と『SPF(スプルース・パイン・ファー)』という材料、ツーバイに携わっている方ならよく耳にする木材で、2×4工法の家の場合、構造材として必ずこれらが使われています。(ダグラスファーを使っている会社は盛岡近辺にはないのでは?)

これらの材料は構造材としてみた場合は粘りがあって加工しやすくていいのですが、外に晒される部分にはそのままでは絶対に使用しません。

理由は単純に、濡れに弱く腐りやすいからです。

ここで、フラット35の技術基準から、材料の樹種選定に関する記述を下に添付します。

フラット35技術基準

この表を見てわかる通り、「べいつが」は数ある木材の中でも特に耐腐朽性&耐防蟻性に弱い材料であることが分かります。(逆に「べいひば」は最高ランク)

この表にはありませんが、SPFもべいつが同様、腐れに相当弱い材木です。

ちなみに、べいつがと同じ区分に あかまつ もいますね。

木材に詳しくない人だと、『杉は軽くて弱いけど松は油っ気があるから外に使っても強い』と知ったかぶる方もいますが、実は逆で、杉という木は言うほど雨に弱くなくて、昔の日本建築だと外壁の下見板にもよく使われていたりしました。

さて、話を戻しましょう。

この通りべいつがは腐れに弱いため、防腐剤を注入して加工されたものが一般的に土台材として多く使われています。(ローコスト住宅の土台はほぼこの防腐土台でしょうね。値段が安いから。)

こうして防腐剤が注入された材料ですが、なんとなく、「防腐剤で薬剤処理されているので腐る心配はあまりないのかな?」と思ってしまうのですが、ヤマミチで以前に修繕を依頼された現場のウッドデッキの床板は見事に腐りきっていました。

その時の写真です。

どうなんでしょう。この腐れっぷり。

築20年くらいの家で、途中で一度くらいは塗り直した形跡がありましたが、ウッドデッキにしては塗装回数が足りなすぎるというのが一番の原因です。

しかし、実はこの写真で一番伝えたい部分は、この腐った部分ではなく、その下の土台の方なんです。

もう原形をとどめないほど腐れて崩れ去っている根太に対し、土台の方はまだ角がぴんっと立つほどしっかりしています。

実はこのウッドデッキ、床板と根太はSPF防腐材が使われていましたが、土台にはヒバ材が使われていたんです。

同じ環境に晒されても樹種の違いで実際これだけの差が出るんですね。

知識と経験をこうして積んできた今、だから、ヤマミチではウッドデッキには「べいひば」を使います。

一般的な市場ではなかなか高価なべいひばですが、ヤマミチは安く仕入れられるルートを構築しましたので、大変コストパフォーマンスの高い内容で提供できています。

余談

DIY雑誌なんかでウッドデッキの内容を見ると、デッキ材として南洋材がやたらと紹介されておりますね。

ウリン、イペ、セランガンバツ、サイプレス(オーストラリアひのき)等々。

私も以前、研究所に勤めていた頃にウリンを扱ったことがありますが、とてもじゃないけどこれは素人向けではないです。

まず固すぎてプロ用の丸のこを使ってもなかなか切れない。

ホームセンターで買うようなDIY用の丸のこだとあっという間にモーターが焼き切れます。

ビスを打つにも、そのまま打ち込むとビスがねじれて切れます。必ずドリルで下穴を開けなければならない。

別名「アイアンウッド」と呼ばれるくらい硬くて丈夫で腐らない木材ではあるのですが、こういうのは何年もメンテナンスいらずで屋外に放置するような海辺のベンチ等に使うのが本来の用途なんだと思います。

普通の戸建て住宅のウッドデッキに使うにはもったいないし、そもそもイニシャルコストがめちゃくちゃ高すぎて割に合わないよ。(;´Д`)

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