いつか遮熱の時代が来る。(その1)
現代の住宅にとって非常に重要なウェイトを持つ「省エネ」。
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法律上も次世代省エネルギー基準というのがあって、非住宅の建築物を新築する際には省エネの基準をクリアしているかの確認を「外皮計算」という特殊な計算をして添付することが義務付けられているのですが、2020年からはそれが一般住宅(併用住宅)にも適用されることが決まっています。
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この省エネを測る指標に定められた概念は『断熱』性能です。
今や建築業界の人でなくても誰にでも通じるくらい断熱という言葉は一般的です。
まずこの断熱の性能基準は、日本を地域ごとに8つのエリアに分けてそれぞれの地域によって基準値が定められていて、基本的に寒い地域ほど高い断熱性能を求められます。
しかしながら、今や毎年この猛暑ですよ。
北海道から沖縄まで日本総猛暑です。タマランです。
そりゃ独居老人が熱中症で孤独死もしますよ。
なんで地域ごとに断熱基準が分かれる必要があるのか。
寒さにだけスポットを当てる理由は何なのか。
省エネを考えるなら冷房の負荷を上げなくていいように夏場の断熱性能も上げなくちゃならないでしょうに。理屈が分からん。
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さて、ということでハウスメーカーを筆頭に30年くらい前から断熱材が重要視されてきて、今は性能高くて当たりまえ。
岩手県の地場メーカーでも断熱性能を前面に押し出す会社も多くなりました。
(…新築ではね。リフォームの分野ではまだまだ低レベルで遅れてます。)
でも断熱性能は材料の熱伝導率と厚さで決まってくるので、高くて良いものを使うかもしくは厚さを稼がないと性能値を上げられません。
なので、性能を上げようとすると一気にコストが膨らんで大変です。
そんな中で今、私と言うか当社が重要視しているのが『遮熱』の概念です。
言葉くらいはどこかで聞いたことがあるかと思いますが、用語の違いについて簡単に説明すると、
断熱
熱を断つと書いて断熱。外から伝わる「伝導熱」や「対流熱」を防ぐこと。
単純に断熱材が厚くなればなるほど有利。
遮熱
熱を遮ると書いて遮熱。外から伝わる「輻射熱」を防ぐこと。
イメージ的には反射。
黒よりも白、白よりも鏡面になるほど反射効率は高い。(←日傘)
性能は素材の表面に依存するので厚さは無関係。
がんばって作りました。我ながら絵で描くと一目で分かりやすいですね。
大事なのは、対応する熱の種類が違うということ。
遮熱が対応する熱は輻射熱です。
輻射熱とは赤外線によって温められること。
・・・ちょっと話を宇宙に飛ばしますよ。
なぜ地球は太陽のおかげで温められているのか。
太陽からの熱が宇宙を渡って地球まで届いているとでも?
違います。
真空タンブラーが手に熱を伝えないように、宇宙空間も真空なのでいくら太陽が熱くても(約6000℃)、地球までは熱は届きません。
でも太陽からは紫外線や赤外線が降り注いできています。
赤外線は物体に当たるとその表面に熱が発生します。
それで地球の地表やらが温められて大気も温められるという理屈です。
その赤外線量(強さ)のことを「輻射熱」と言い、それを反射することを「遮熱」と言います。
…と、ようやく基本的なところが終わったところで、あんまり長くなったので今回はここで終わります。
次回は住宅に置き換えてどのように遮熱構造を構築するかの話に移ります。