【MOKI】モキストーブの暖かさの仕組みを知る その2-2:二次燃焼
前回は焚き付け時の立ち上がりの説明で終わってしまいましたので、茂木プレートが燃焼に及ぼす効果についてまた話を続けます。
さて、前回の内容にも書いたとおり、MOKIのストーブは触媒も二次エアーの吹きつけも行わずに二次燃焼を発生させることができる、他の薪ストーブには無い特徴があります。
その秘密が、言うまでもなくMOKIの特許技術である『茂木プレート』にあります。
MOKIストーブの内部にはこのような金属製の多孔プレートがセットされています。
(正面からの画像だと分かりにくいのですが、多少の間隔を空けて2列あります)
で、このプレートの間を炎がすり抜けて煙突へと抜けていく構造になっています。
このように。
穴の向こうに炎が立ち上がっているのが見えますね。
解説するために前回も添付した模式図をもう一度貼りますね。
これがMOKIストーブの炎の流れです。
薪が燃えて発生した炎の大半は、茂木プレートの下をくぐって煙突へ向かいます。
その際、2枚の茂木プレートは常に炎の熱を受け続けるので、茂木プレート内では早い段階から高温の環境が出来上がります。
1.炉内で薪が燃える(一次燃焼)
↓
2.その未燃焼ガスを含んだ炎が茂木プレート内で高温に晒される
↓
3.着火性を高める火種が別の薪の炎から供給される
↓
4.それぞれの炎に含まれる未燃焼ガスがお互いに燃える(二次燃焼)
↓
5.茂木プレート内はさらに勢いを増して高温になる
↓
6.さらに二次燃焼しやすい環境になる
これがMOKIストーブ独自の二次燃焼の仕組みです。(たぶん)
この工程の中で重要なのが3と4の部分。
・『別の炎から』火種が供給される
・それぞれの炎が『お互いに』燃える
つまり、MOKIの二次燃焼は『複数の炎による相互燃焼』によって発生していると考えます。
これを裏付けるように、メーカーはストーブの説明書の注意書きにこう書いています。
"薪は3~4本入れてください。1本では燃焼温度が上がらず煙発生の原因となります"
これは実際に燃やしてもその通りで、薪を1本だけで燃やしているときは煙突から煙が見えます。
1本だけだと、その未燃焼ガスを燃やしてくれる別の炎が無いので、高温環境を作れない&二次燃焼を起こせないという悪循環なんだと思います。
逆に、この相互燃焼のおかげでMOKIストーブはかなり早い段階から二次燃焼を起こすことができて、結果、煙の透明化も早く達成できるのです。
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多くの一般人はカタログスペックが大好きなので、某触媒機なんかのPM排出量(2.5g/hとか)の数値だけを見て「クリーンな薪ストーブだ」と思い込んで信じる人が多いけど、それは巡航運転時の一番状態のいい時の数値。
実際のところは最初の1時間ほどはバイパスダンパーを開けているので、一次燃焼の排気をずっと垂れ流しているという事実を知らないで買ってしまう。
私の場合は岩手県の田舎に住んでいて、その辺の近所でも普通に野焼きとかしているので煙なんかあまり気にしないけど、住宅街に住む人にとっては煙の問題はとっても大きいと思います。
住宅街で煙を気にしなければならないような環境にこそ、二次燃焼が素早く立ち上がるMOKIストーブはうってつけでしょうね。
以上です。
さて、次回も燃焼の仕組みについてもう少し続けてみます。
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