【MOKI】モキストーブの暖かさの仕組みを知る その1:炉内に蓄熱材が無いことのメリット
前回の日記に書いたとおり、今回からは技術的なところに入っていきたいと思います。
さて、MOKIの特徴は鋳物ストーブと違うのはもちろんとして、他の鋼板ストーブの構造とも違う独自の作りにあります。
その中でも…
★ 炉内に耐火レンガ等の蓄熱材が無い
MOKIストーブの一番の特徴はこれじゃないかと思っています。
一般的に、薪ストーブの内部は耐火レンガやバーミキュライトといった鉱物で炉内を囲んでいて、ボディへのダメージ軽減や蓄熱効果を狙います。
鋳物のストーブの場合は特に重要で、こうした保護材が内側に無いと急激な温度変化を与えてしまい割れやすくなる恐れがありますので、保護と蓄熱、両方の面で鋳物と相性が良いのです。
我が家のトラビス:ライデン の内部。
三方と正面奥の二次燃焼ボックスはセラミックレンガで覆われている。
この蓄熱材ですが、鋼板ストーブの場合は鋳物と違って割れる恐れが無いので保護する必要はありません。
が、他社の鋼板ストーブでは蓄熱性の向上を狙ってか、やはり炉内に設置されていることが多いです。(一部安物を除き)
でもMOKIストーブの炉内には耐火レンガ等の蓄熱材はありません。
蓄熱材には『温まりにくい』という、明らかな”デメリット”があります。
はじめに薪を焚き始めてから数十分間に発生する熱はすべてこの蓄熱材に奪われてしまって、ストーブ自体は温まらないからです。
そこがMOKIと他のストーブとの一番の差となって表れています。
ここで模式図を。
下の図は、鋳物ストーブの焚き始めのイメージ。
一方、MOKIストーブの焚き始めのイメージ。
鋳物ストーブは1時間くらいかけてボディの温度をようやく200度に上げるのに対して、
MOKIストーブはたったの10分ちょっとで簡単に200℃に到達します。
この圧倒的な暖まりの速さ、勝手に言葉を作るとすれば『速暖性』が、他のストーブとはまるで比にならないくらい別物です。
MOKIを導入する一番のメリットはここにあるかもしれません。
薪ストーブを使っていると分かるのですが、「暖まり始めてきたな」と感じるラインが200℃くらいです。体感的には「ほんわり」といった感じ。
つまり、鋳物ストーブだと1時間焚いてようやくこの「ほんわり」レベルにしか暖まらないということです。
ちなみにMOKIで1時間くらい焚くと、とっくに400℃を超えていて家全体(2Fも)を暖めている状態です。
これはトレードオフの関係なので、どちらが絶対的に有利かという話ではありません。
暖まりにくいが、長い時間冷めにくい ⇔ 暖まりやすいが、すぐに冷めやすい
でもね…薪ストーブを使うのは冬なので、寒い空間をいち早く暖めたいと思うのは当然の欲求だと思いませんか?
「火をじっくりと育てながら~」とか、
「温度計の針を見てタイミングを見計らいながらバイパスダンパーを~」とか、
そういうのいいから。
次回に続きます。
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